恋人岬は、静岡県伊豆市の西伊豆・土肥地区に位置する、駿河湾に突き出た美しい岬です。岬の先端には展望デッキがあり、晴れた日には駿河湾や富士山を望むことができます。
遊歩道と無料駐車場が整備されているため、カップルだけでなく友人や家族連れでも気軽に訪れやすいのが魅力です。
この記事では、恋人岬の概要や由来、見どころや体験要素、展望スポット、アクセス・駐車場情報を含む実用情報を詳しく紹介します。
恋人岬ってどんなところ?

恋人岬は、静岡県伊豆市小下田に位置する岬で、西伊豆・土肥地区の海岸線に突き出すように続く自然地形が特徴です。岬の先端までは約700メートルの遊歩道が続き、木製デッキや展望台が整備されているため、海を眺めながら散策を楽しめるスポットとなっています。
この場所が「恋人岬」と呼ばれるようになった背景には、漁師の福太郎と村の娘およねの恋物語が伝わる民話があります。
民話については後に詳しく紹介しますが、この伝説にちなんで、1983年に「恋人岬」の名称が付けられ、翌年に『ラブコールベル(愛の鐘)』を設置。その後、グアムの恋人岬との姉妹提携記念として『金の鐘』が設けられました。
現在では、恋愛成就の象徴として広く知られ、鐘を3回鳴らすと恋が叶うといわれていることから、多くのカップルや観光客が訪れる人気スポットになっています。晴れた日には駿河湾越しに富士山を望むことができ、その絶景も魅力のひとつです。
岬の入口付近には「恋人岬ステラハウス」があり、軽食や休憩スペースとして利用できるほか、「恋人宣言証明書」の発行やオリジナルお守りの購入も可能です。散策と景観、そして小さな旅の思い出づくりができる場所として、多くの人に親しまれています。
恋人岬の伝説

その昔、この岬の近くにある土肥という場所で開かれていた朝市で出会った漁師の福太郎と村の娘およね。2人はすぐに恋に落ちましたが、険しい山を越えなければ行き来できず、頻繁に会うことは困難でした。
そこでおよねは近くの神社に通い、福太郎と結ばれるようにと神様に願いました。するとある日、およねの前に神様が現れ2つの鐘を渡したのです。およねはひとつは自分に、そしてもうひとつの鐘は福太郎に託しました。
それからおよねは毎日、漁船に乗り恋人岬の沖を通る福太郎へ向け鐘を3回鳴らし、その鐘の音を聞いた福太郎も同じく3回鐘を鳴らして愛を確かめ合ったといいます。
その後2人は無事結ばれることとなり、その舞台となったこの岬は「恋人岬」と呼ばれるようになったそうです。
現在、展望デッキに設置されているラブコールベル(愛の鐘)は、およねの鐘が姿を変えたものとされ、愛しい人の名前を叫んで3回鳴らすと想いが叶うと伝えられています。
恋人岬へのアクセスと駐車場情報

恋人岬にはアスファルト舗装された無料駐車場が2か所あり、合計で普通車約80台を収容可能です。週末や夕暮れ時は訪れる人が増えるため、展望デッキに近い区画から順に埋まっていきます。より近い場所に駐車したい方は、早めの到着がおすすめです。
公共交通機関を利用する場合は、伊豆箱根鉄道「修善寺駅」が最寄りです。駅から東海バスを利用し、「恋人岬」バス停で下車。バス停から展望デッキへ続く遊歩道の入口である「恋人岬ステラハウス」までは徒歩3分ほどです。
ただし、最寄り駅から「恋人岬」バス停までは、約80分と時間がかかります。そのため、タクシーやレンタカーの利用も選択肢に入れておくと安心です。なお、修善寺駅から恋人岬までは車で約45分ほどでアクセスできます。
駐車場やバス停到着後は、遊歩道を歩いて展望デッキへ向かいます。坂道や階段が続くものの、距離はそれほど長くありません。緑や海を眺めながら展望デッキを目指せるのがうれしいポイントです。
所要時間は片道10〜15分ほどで、体力に自信のない方でも無理なくたどり着けますが、休憩なしではきついという声も。少しずつ休憩を挟みながら、ご自身のペースで展望デッキを目指しましょう。
混雑を避けたい場合は、午前中の訪問が安心です。特に夕焼けの時間帯は写真撮影を目的に訪れる人が集中し、展望デッキ周辺がやや混み合います。時間帯をずらすか、平日を選ぶとゆったり過ごせます。
恋人岬の見どころ

恋人岬には、美しい海景や象徴的なモニュメントが点在し、歩くだけで気分が高まる魅力があります。なかでも、散策路や展望デッキから望む駿河湾の景色は、この場所が“絶景スポット”と呼ばれる理由を実感できる眺めです。
ここでは、訪問時に特に印象に残った2つの見どころをご紹介します。
展望デッキと絶景

恋人岬の遊歩道沿いには2つの展望デッキが整備され、駿河湾や戸田の海岸線を一望できます。天気が良い日は富士山が姿を見せ、海と山が揃うダイナミックな景観が広がります。
デッキ自体は広すぎず、手すり越しに海風を感じながら景色を眺められるのが魅力です。遊歩道も場所ごとに少しずつ景色が変わるため、散策の楽しみが続きます。
展望デッキを目指して遊歩道を歩いていると、視界が一気に開ける瞬間が何度もあり、つい立ち止まって写真を撮りたくなります。ゴールまでの道のりでも絶景が楽しめるのは、この場所ならではの魅力だと感じました。
ラブコールベル(愛の鐘)

恋人岬のシンボルとして親しまれているのが、展望デッキの先端に設置されたラブコールベルです。二人で鐘を鳴らすことで幸せが訪れるといわれ、観光客のほとんどが立ち寄る定番スポットになっています。
鐘越しに望む海の眺めが印象的で、特に夕暮れ時は柔らかな光に包まれ、岬全体がロマンチックな雰囲気に変わります。遊歩道沿いやステラハウス近くには「愛の鍵」を掛けられるフェンスがあり、訪れた人々の願いが静かに寄り添っています。
このラブコールベルは、“愛しい人の名前を叫んで3回鳴らすと想いが叶う”とも伝えられており、お一人様で祈願に訪れる方も多い場所です。私は実際に叫んでいる方を見かけたことはありませんが……。
恋人岬にはこんな楽しみ方も

恋人岬では、メインの展望スポット以外にも、散策の途中で立ち寄りたくなる小さな見どころが点在しています。
入り口付近にある「恋人岬ステラハウス」では、記念グッズや軽食を扱っており、休憩しながら旅気分を高められるのが魅力です。ステラハウス公認の証「恋人宣言証明書」の発行も行っているので、カップルで訪れた方はぜひ立ち寄ってみてください。

遊歩道沿いのもう一つの展望デッキには、先端のラブコールベルとは別に、グアムの恋人岬との姉妹提携を記念して設置された「金の鐘」も静かに佇んでいます。この姉妹提携の証は、グアムの恋人岬にも「銀の鐘」という名で設置されており、異国との縁を感じられる印象深いポイントになっています。
また、この地には「福太郎とおよね」の民話が伝わり、恋人たちの絆を象徴するエピソードとして語られてきました。この伝説に思いを馳せながら岬を歩くと、それぞれのスポットが物語や歴史と自然に寄り添うように点在しており、散策に奥行きを与えてくれます。
恋人岬周辺の立ち寄りスポット
恋人岬を訪れたあとは、その周辺にも足を延ばしてみてください。近隣の観光地もあわせて巡ることで旅の満足度がさらに高まります。
ここでは特に訪れやすい魅力的なスポットをご紹介します。
土肥達磨寺

全国でも珍しい“達磨大師ゆかり”の寺として知られ、境内には巨大な達磨像が立ち並ぶ印象的な光景が広がります。祈願や運気上昇の寺としても人気があり、恋人岬から車で数分、徒歩でもアクセス可能な立ち寄りスポットです。
松原公園・土肥温泉

海沿いに広がる公園と温泉街で、気軽に立ち寄れる足湯やのんびり散歩が楽しめます。近くには土肥海水浴場もあり、海辺をゆったり歩きながら温泉街らしい雰囲気を味わえるスポットです。恋人岬から車で15分ほどでアクセスできます。
恋人岬はこんな方におすすめ!

恋人岬の魅力はさまざまですが、特にこんな方にぴったりです。訪れる際の参考にしてください。
- 海を望む絶景を楽しみたい方
- 海景や夕景を写真に収めたい方
- 恋愛成就の鐘を鳴らしてみたい方
- カップルで特別な時間を過ごしたい方
- 西伊豆ドライブコースの立ち寄りスポットをお探しの方
恋人岬を訪れる際の注意点

快適に恋人岬を楽しむために、事前に知っておくと安心な注意点をまとめました。訪れる前にチェックしておきましょう。
- 遊歩道は坂道や階段が多いため歩きやすい靴で
- 週末や連休、夕暮れ時は混雑に注意
- 公共交通アクセスがやや不便なため注意
- 展望デッキは風を遮るものがないため強風に注意
- 撮影マナー・観光マナーを守って
恋人岬の基本情報・アクセスまとめ
恋人岬を訪れる際に役立つ基本情報とアクセス方法をまとめました。お出かけ前にぜひチェックしてください。
公式サイト
所在地・公共アクセス
静岡県伊豆市小下田3135-7
公共交通機関でのアクセス方法
伊豆箱根鉄道「修善寺駅」から東海バス約80分 → 「恋人岬」バス停下車→恋人岬ステラハウスまで徒歩3分
※展望デッキまでは徒歩約10~15分
駐車場情報
駐車場あり:普通車約80台/無料
入場料
無料
営業時間・休業日
| 営業時間 (恋人岬ステラハウス) | 9:00~17:00 |
| 休業日 | 定休日無し |
その他ご不明な点、詳しい情報は土肥温泉旅館協同組合公式サイトにてご確認ください。
また、こちらのブログ内でご紹介させていただいた内容は記事作成時点での情報です。必ず最新情報をお確かめの上お出かけください。
おわりに
恋人岬は、駿河湾を望む絶景やロマンチックな散策スポットが魅力の、伊豆を代表する観光スポットです。気軽に歩ける遊歩道や愛の鐘などのフォトスポットもあり、デートや絶景を楽しみたい方にもぴったりですよ。
ぜひ次の旅行の目的地候補に入れてみてくださいね。
最後までお読みいただきありがとうございました。こちらの記事が少しでも、皆様のお出かけ計画のお役に立てれば幸いです。






