静岡県沼津市戸田にあるこの土地の守り神、部田神社(へだじんじゃ)。戸田地区を山側から守護している神様です。海側の守り神である諸口神社と共に古くからこの地を守護してきた神社ですが、比較すると一般的な知名度は部田神社の方が低め。混雑を避け静かに参拝したい方におすすめの穴場パワースポットです。自然に囲まれた静かな境内に映える鮮やかな朱色の拝殿が特徴的な神社。それが戸田の部田神社です。
部田神社ってどんなところ?
部田神社は、静岡県沼津市戸田にある式内社1。延喜式神名帳には「部多神社」と記載されています。詳しい創建年代などは不明ですが、1,000年以上の歴史を持つ古い神社であることは確かなようです。
沼津市戸田地区にはもうひとつ諸口神社という式内社があるのですが、こちらは海側から戸田を守護し、部田神社は山の手側から守護する氏神であるとされています。
御祭神は大国主命(おおくにぬしのみこと)。古くは聖徳太子を祀った太子信仰の神社だったようですが、現在は大国主命を主祭神として祀っています。
古くから、福の神、農業漁業の神様、商売の守護神として信仰されている神社です。
ちなみに、「部田」の読み方はこの地区の名称「戸田」と同じく“へだ”。へだにあるへだ神社です。
- 当時、国がお祀りすべきと定めた2,861社の名前が記された書籍「延喜式神名帳」に記載のある神社のこと。式内社、または延喜式内社と呼ぶ。 ↩︎
部田神社でお詣りしよう!
沼津市戸田の神社といえば、御浜岬にあるフォトスポットとしても人気のパワースポット・諸口神社が有名ですが、今回ご紹介します部田神社もまた、この沼津市戸田地区を古くから守護している重要な神様。
諸口神社と比較してしまうとどうしても知名度は低くなってしまいますが、戸田地区を訪れたらぜひ足を運んでいただきたい沼津市のパワースポットのひとつです。
部田神社に駐車場はある?
車で沼津市戸田地区を目指す場合、戸田地区中心街を南北に貫く沼津土肥線(県道17号)、もしくは東側から中心街へ向かう修善寺戸田線(県道18号)を使ってアクセスできます。どのルートでも一山越えて戸田地区を目指すことになるのですが、この修善寺戸田線を使って戸田地区を訪れたことのある方は、実は部田神社のすぐ横を通って戸田港や御浜岬へ辿り着いている可能性が高いです。
こちらの写真の左側に写っている建物は道の駅「くるら戸田」です。この景色に見覚えのある方は間違いなく部田神社のすぐ近くを通っています。
部田神社の駐車場についてですが、なんとも微妙なんです。まず出発前に少しだけ調べてみたところ、境内手前に数台分駐車スペースがあるとの記述を目にしました。しかし情報量が少なく半信半疑でしたので、念のため徒歩でその場所へ向かい確認してみることに。結果、それっぽい場所はありましたがそこが部田神社の駐車場であるという確証を持てませんでしたのでこちらで明記することは避けます。
駐車場がないとなると車で訪れる方は不便に感じてしまいますよね。しかしご安心を。部田神社から徒歩5分ほどのところに道の駅「くるら戸田」があります。道の駅ですので自由に利用できますし、24時間利用可能な駐車場(収容台数42台)も備わっていますので、駐車スペースに余裕がありそうなら少しの間駐めさせていただいても問題ないでしょう。絶対に勘違いしてはいけないのは、部田神社の駐車場ではないということ! 混雑時の利用はさけましょうね?
簡単ではありますが、部田神社周辺の地図を描いてみました。というのも、部田神社は入口がちょっとわかりにくいんです。地図で見るとそんな風には思わないかもしれませんが、実際は周囲が木で囲まれていたり、民家の陰に隠れてしまっているんです。
実は私もなかなか入口を見つけられず、神社の周りを一周してしまった参拝客の一人。そんなちょっと無駄とも思える時間が楽しかったりもするんですけどね。
上の地図にあるオレンジ色の〇の位置を撮影したものです。青い矢印の方向から撮影しています。部田神社北側を通る修善寺戸田線から境内を目指す場合、まずは左の写真のカーブミラーと横断歩道を探しましょう。ここを南方向へ曲がります。
すると、少し細い道に入りますがほどなくして先ほどと同じようなカーブミラーが確認できますので、そこを左折しましょう。その先が鳥居のある参道です。
部田神社境内には何がある?
こちらが部田神社の鳥居、そして境内へ続く参道です。歴史を感じる石鳥居ですね。一礼して境内へ進みましょう。
境内ではありませんが、参道横に大きな広場があります。普段から頻繁に使われている場所ではなさそうですね。祭事の際に使われたりするのでしょうか?
それにしても戸田は本当に景色がいい所ですね! 漁業が盛んな町で、海水浴や釣りが楽しめるおすすめスポットですが、山側もこの景色! 海と山の絶景を楽しみたくて何度でも訪れてしまう。そんな場所です。すみません、話が逸れました。部田神社境内へ進んで行きましょう。
鳥居をくぐり少し進むと右側にトイレがあります。こちらには「宮脇中央広場トイレ」と書かれています。おそらく目の前の広場のトイレなんでしょうね。誰でも自由に使用することができるようです。
境内手前には部田神社について書かれた説明看板が設置されています。少し字がかすれていて読みにくい箇所もありますが、目を通しておくとこの神社についての理解が深まり、より有意義な時間を過ごすことができると思いますよ。
境内はわりとこぢんまりしています。木々に囲まれた拝殿の朱色が映えますね!
境内に入ると左右に忠魂碑や記念碑などが並ぶ石碑群があります。
忠魂碑の隣には戸田村忠魂社があります。数年前までこの場所は「田方郡戸田村」という地名でした。おそらくその頃の名残でこちらの忠魂社には「戸田村」という名前が付けられているのでしょう。かつては太子信仰の神社だったことから、聖徳太子をお祀りしていると記した資料もあるようです。
忠魂社のすぐ東隣には手水舎があります。こぢんまりとしたかわいらしい手水舎です。こちらで心身を清めてから拝殿へ向かいましょう。
改めまして、こちらが部田神社の拝殿です。一言でいうとかなり派手! THE田舎!という自然に囲まれた風景の中にある小さな神社。その境内に佇む鮮やかな朱色と薄緑色を基調とした拝殿はかなり目を引きます。
それでは参拝を……と思ったのですが、お賽銭箱が見当たりません。よーく見ると“扉を開けて御参拝下さい”との文字がありましたので……
開けてみました。そうなんです。部田神社は拝殿の中にお賽銭箱が設置されているタイプの神社なので、参拝の際はご自身で扉を開けお詣りするシステム。こういったタイプの神社はたまにあります。最初は勝手に開けていいのか戸惑うかもしれませんが、だいたいは説明書きがあったりしますのでそちらに従って参拝しましょう。
拝殿の中には書き置きタイプの御朱印も置かれています。部田神社には神職さんが常駐していませんので、拝殿内で初穂料をお納めして御朱印をいただきましょう。
ちなみに拝殿は土足禁止。参拝の際は靴を脱いでお詣りしましょう。それから、拝殿の扉は開放厳禁です。参拝が済みましたら扉を閉めて拝殿をあとにしましょう。扉はかなり重いというか開け閉めにコツがいりますので、くれぐれも手を挟まないようご注意ください。私はこういうところがとても不器用なのでしっかり指を挟みかなり痛い思いをしました。
参拝が済みましたので拝殿の裏手に回ってみましょう。
部田神社境内には立派なクスが数本生えていますが、拝殿の裏手にある2本のクスは「コブ付大クス」と呼ばれ沼津市の有形文化財(天然記念物)に指定されています。どちらのクスも樹高34m、目通6m、根廻11mを超える巨木です。北側の大クスが部田神社の御神木とされています。
上の写真をご覧いただくとわかるように、これらのクスには大きなコブがあるのが特徴。このコブは植物ホルモンの分泌による説や衝撃を受けた後の回復跡といった説があるようですが、現在でも解明されていないようです。
拝殿の左右には境内社があります。
北側の祠には、熊野櫲樟日命(くまのくすびのみこと)を御祭神とする日枝神社、応神天皇(おうじんてんのう)を御祭神とする八幡宮、猿田比古命(さるたひこのみこと)を御祭神とする八衢神社。
南側の祠には、天照大神(あまてらすおおかみ)を御祭神とする大神宮、級長津彦命(しなつひこのみこと)、級長戸邊命(しなとべのみこと)を御祭神とする龍田神社があります。
部田神社への参拝を終えて…
沼津市戸田地区を代表する神社といえばやはり諸口神社が有名ですが、今回ご紹介しました部田神社も長い歴史を持ったこの地区には欠かせない守り神です。諸口神社や戸田地区の観光スポットと合わせて訪れてみてはいかがでしょう? 穴場のパワースポット的な場所なので静かに参拝できますし、自然に囲まれた田舎の風景を眺めながらの参拝は心が穏やかになります。
個人的におすすめのルートとしては、部田神社で参拝を終えたら周囲をお散歩しながら道の駅「くるら戸田」へ。海水浴や釣り、マリンスポーツといった海でのレジャーが魅力の戸田地区ですが、部田神社のある山側の景色もなかなかの絶景です! 道の駅「くるら戸田」にはここでしか味わえないスイーツや海産物、温泉なんかも楽しめます。部田神社を訪れたら戸田地区山側の魅力も味わってみてくださいね!
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
こちらの記事が少しでも、皆様のお出かけ時間のお役に立てれば幸いです!
部田神社へのアクセス
公式サイト
部田神社はサイトやSNSの運営を行っていません。
所在地
公共交通機関をご利用の方へ
最寄り駅はJR修善寺駅、最寄りのバス停は宮の前(部田神社まで徒歩2分)またはくるら戸田(部田神社まで徒歩5分)です。最寄り駅から戸田地区まではバスで30分以上、バスの本数も多くはないので、可能であれば自家用車やレンタカー、タクシーでのお出かけをおすすめします。
駐車場
境内手前に数台駐車可能?(確証が持てないため自己責任でお願いします)
徒歩5分の場所に道の駅「くるら戸田」駐車場あり
拝観料
無料
拝観可能時間
24時間参拝可能
※部田神社には社務所がなく、神職さんも常駐していません。