静岡県磐田市にあるパワースポット、淡海國玉神社(おうみくにたまじんじゃ)。静岡県西部および中部の一部の神様を集めてお祀りしている、遠江国の総社とされる神社です。
境内には県や市の文化財に指定された本殿や拝殿など見どころ多数! また、ちょっと珍しい守護獣がいる神社としても話題の縁結びのパワースポットなんです。
すぐ隣には磐田市のシンボル的な建造物「旧見付学校」もありますので、合わせて訪れてみてはいかがでしょう?
淡海國玉神社ってどんなところ?
淡海國玉神社は、静岡県磐田市見付にある神社。式内社(延喜式内社)1であり、遠江国(とおとうみのくに)総社。旧社格は県社です。すぐ隣には磐田市のシンボルともいわれている国史跡「旧見付学校」があります。
平安時代初期頃の創建と伝えられているようですが、詳細は不明。遠江国(現在の静岡県西部および中部の一部)の神様を集めてお祀りしている由緒ある神社です。
主祭神を大国主命(おおくにぬしのみこと)とし、瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)、木花開夜姫命(このはなさくやひめのみこと)、天照大御神(あまてらすおおみかみ)、須佐之男命(すさのおのみこと)など、相殿神十六柱を御祭神としてお祀りしています。
2015年に本殿が静岡県の有形文化財、2016年に幣殿・拝殿が磐田市の有形文化財に指定されました。また、矢奈比賣神社(見付天神)の御祭神が、遠江国の総社である淡海國玉神社へ渡御する神事「見付天神裸祭」は天下の奇祭と呼ばれ、国の重要無形民俗文化財に指定されています。
縁結び、家内安全、商売繁盛、五穀豊穣といったご利益のある神社です。
- 当時、国がお祀りすべきと定めた2,861社の名前が記された書籍「延喜式神名帳」に記載のある神社のこと。 ↩︎
淡海國玉神社でお詣りしよう!
淡海國玉神社のある磐田市見付という場所は、磐田市のほぼ中心辺りに位置し、高速道路、一般道、駅のいずれからもアクセスしやすい地域です。磐田市のシンボル的な建造物である「旧見付学校」が目印にもなりますので、ほぼ迷うことなくたどり着けると思います。
淡海國玉神社に専用駐車場はありません
アクセスしやすく割とわかりやすい場所にある神社ですが、淡海國玉神社には専用の駐車場がありません。
私は旧見付学校の見学と合わせて参拝に訪れましたので、旧見付学校の駐車場を利用させていただきましたが、淡海國玉神社の参拝だけをご希望の方の利用はどうなんでしょう……。ちょっと微妙なところだと思いますので、一応一言断りを入れてからのほうが良さそうですね。
旧見付学校の駐車場も収容台数10台ほどと限りがありますので、ご心配な方は事前に確認するか、公共交通機関を利用するようにしましょう。
ちょっと珍しい○○がいる境内
それでは淡海國玉神社境内へ進んでいきます。まずは立派な鳥居がお出迎え! 視界には絶対に旧見付学校校舎が入りますので、旧見付学校ありきの淡海國玉神社だと思っています。
鳥居をくぐると右側には手水舎と井戸らしきものが見えますね。小さなかわいらしい手水舎で心身を清めてからお詣りしましょう。
手水舎の隣にある井戸のようなものには蓋がされ、その上にうさぎの置物やら招き猫やら……なんだかいろいろなものが置かれていました。
鳥居と拝殿の間には中門が設けられています。神社の場合、入口の鳥居である一の鳥居の後方には二の鳥居なんかがあったりしますが、こちらの神社にあるのは鳥居ではなく門。ちょっとお寺っぽいですよね。
中門をくぐると正面に拝殿。主祭神である大国主命をはじめとした、遠江国の神様十七柱たちにしっかり手を合わせお詣りしましょう。
ん? 拝殿の両脇にいる狛犬……? ちょっと違和感がありませんか?
そうなんです。淡海國玉神社に置かれているのは狛犬ではなく狛兎(こまうさぎ)。本来、神社の守護獣として境内に置かれている狛犬ですが、狛兎となるとなんとなく心許ない気が……。では、なぜ淡海國玉神社には狛犬の代わりに狛兎がいるのでしょう?
みなさんは「因幡の白兎(いなばのしろうさぎ)」という物語をご存じですか? すごーく簡単にご紹介すると……
白兎がサメを騙し、島から本土へ渡ろうとする
↓
結果、自分の皮膚を傷つけてしまう
↓
痛みに苦しむ白兎は偶然出会った兄弟神様に助けを求める
↓
神様たちに嘘の治療法を教えられ、さらに皮膚を傷つけてしまう
↓
しかし、最後に出会った大国主命に正しい治療法を教えてもらい白兎は助かる
という神話です。このお話は「情けは人の為ならず」や「因果応報」をわかりやすく理解できる神話として広く知られています。
お話しとしてはここまでなのですが、実はこの白兎、後に大国主命の奥さんとなる八上姫の使者だったという説があるんです。兄弟神様の中から正しく清い心を持った大国主命を見つけ出し、八上姫と引き合わせた、いわゆる恋のキューピッド。
このことから白兎は縁結びの象徴となり、淡海國玉神社境内を守護する狛犬ならぬ狛兎となったわけですね。井戸らしきものの上にあったうさぎの置物にも納得です。
拝殿の裏に回ってみると、県の有形文化財に指定されている本殿を見ることもできます。歴史ある建造物です。
境内東側には社務所もありますが、神職の方が常駐しているわけではないようです。淡海國玉神社は、矢奈比賣神社(見付天神)が兼務管理している神社ですので、御朱印などもそちらでいただけます。
矢奈比賣神社(見付天神) 〒438-0086 静岡県磐田市見付1114-2
ちなみに、淡海國玉神社の隣にある旧見付学校併設の元図書館「磐田文庫」は、淡海國玉神社の神官を務めていた大久保忠尚が設立した建造物です。このことからもわかるように、淡海國玉神社、旧見付学校、磐田文庫はそれぞれ密接な関係にある文化財ということになります。ぜひ、合わせて参拝、見学なさってくださいね!
淡海國玉神社への参拝を終えて…
今回私が淡海國玉神社を訪れたのは、正直なところ旧見付学校見学のついででした。すぐ近くに神社があるならせっかくだから参拝しておこうと境内へ入り拝殿を目指したところ、あら、びっくり! そこにいるはずの狛犬の姿はなく、なぜかかわいらしいうさぎの石像……。何も知らずに訪れたので興味が湧きますよね?
後に神社について調べてみたところ、なにやらすごい神社であることが判明し、狛兎がいる理由も理解したというわけです。決して大きな神社というわけではないんですが、その場所特有の雰囲気や見どころ、魅力って必ずと言っていいほどあるんだなと再確認できました。
こういった出会いがあるので、お出かけも、予定外の行動もやめられないんですよね。ふらっと立ち寄った神社に狛兎がいるなんて想像もしていませんでしたので。もしかしたらこの偶然の出会いも、縁結びの神様のパワーだったりするのかもしれませんね。
淡海國玉神社は、お隣の旧見付学校とも関わりの深い神社です。参拝を済ませたら、ぜひ旧見付学校見学もお楽しみくださいね!
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
こちらの記事が少しでも、皆様のお出かけ時間のお役に立てれば幸いです!
淡海國玉神社へのアクセス
公式サイト
所在地
公共交通機関をご利用の方へ
最寄り駅はJR磐田駅、最寄りのバス停は旧見付学校(淡海國玉神社まで徒歩1分)です。バス停は他にも、新通町(淡海國玉神社まで徒歩5分)、西坂町(淡海國玉神社まで徒歩5分)があります。
駐車場
なし
※近くに旧見付学校駐車場あり
拝観料
無料
参拝可能時間
24時間参拝可能
その他ご不明な点、詳しい情報は淡海國玉神社公式サイトにてご確認ください。
また、こちらのブログ内でご紹介させていただいた内容は記事作成時点での情報です。必ず最新情報をお確かめの上お出かけください。