静岡県駿東郡長泉町にある割狐塚稲荷神社は、富士山の噴火によって作られた溶岩塚の上に社殿が佇む、全国的にも珍しい神社です。
緑豊かな木々に包まれた境内と、鮮やかに並ぶ朱色の鳥居が織りなす神秘的な空間は、日常の忙しさから少し離れてリフレッシュしたい方や、自然のパワーを肌で感じたい方にぴったりの場所です。
溶岩のゴツゴツとした質感と神社の洗練された美しさが融合した景色はここでしか見られないもので、まるで異世界に迷い込んだかのようなワクワクする参拝体験が待っています。あらかじめ見どころや境内の特徴を少しだけ心に留めてお出かけいただくと、当日の散策が何倍も深く、感動的なものに変わるはずです。
この記事では、神社の由緒や歴史の背景はもちろん、現地でぜひ注目していただきたい神秘的な見どころ、そして事前に確認しておくと安心なアクセスや駐車場情報まで、初めての方にも分かりやすくお届けします。
割狐塚稲荷神社ってどんなところ?

割狐塚稲荷神社は、静岡県駿東郡長泉町下土狩にある、溶岩の上に建てられた大変珍しい神社です。この溶岩は、約1万年前に富士山から流れてきた「三島溶岩流」の末端部分にあたり、地表に盛り上がった「溶岩塚(割狐塚)」そのものが社殿の土台となっています。この独特な地形は学術的にも貴重で、伊豆半島ジオパークのジオサイトの一つにも指定されています。
この神社の大きな特徴は、周囲を地域の主要道路が走るアクセスの良い場所にありながら、境内へ一歩足を踏み入れると別世界のような静けさに包まれる点です。神社前の道路から境内へ歩みを進めると、目の前にはゴツゴツとした溶岩の岩肌と、幾重にも連なる美しい朱色の鳥居が現れます。大きな神社ではないため移動の負担が少なく、お買い物の合間やドライブのついでに、気軽にお参りできる安心のロケーションも魅力です。
古くから五穀豊穣や商売繁盛、家内安全といったご利益のある神様として地域の人々に親しまれているほか、近年ではSNSを中心に「写真映えする神秘的なスポット」としても注目を集めています。溶岩の間に生い茂る豊かな緑を眺めながら、鳥居のトンネルをくぐり、自然のエネルギーを肌で感じながら思い思いの時間を過ごすことができます。
割狐塚稲荷神社へのアクセスと駐車場情報

割狐塚稲荷神社は、周辺を住宅や道路に囲まれた市街地の中に位置しています。訪れる方がスムーズにお参りできるよう、現地の駐車場事情や公共交通機関のポイントを分かりやすく整理しました。
駐車場:境内に設けられた広いスペース

割狐塚稲荷神社には、境内に参拝者用の無料駐車場が用意されています。未舗装ですが、数台から十数台ほど停められるスペースがあり、車を降りたら長い距離を歩くことなく、すぐに鳥居の前に到着できる点が嬉しいポイントです。
駐車場は境内にあるため、神社の場所さえ分かれば迷わず向かうことができますが、入口が少し分かりにくく感じる場合があります。神社東側にある駐車場の入口付近にはのぼり旗が立てられているので、そちらを目印にするのがおすすめです。
公共交通機関:駅から徒歩圏内の便利な立地
電車を利用してアクセスする場合は、JR御殿場線の下土狩駅が最寄りとなります。駅の改札を出てから神社までは、歩いて5分から10分ほどの非常に近い距離にあるため、公共交通機関でのアクセスがとても便利なスポットです。
駅からの道のりも平坦な市街地の歩道を進むルートですので、小さなお子様と手を繋ぎながらでも安心して歩くことができます。また、JR東海道本線・新幹線が乗り入れる三島駅からタクシーを利用しても5~10分ほどで到着できるため、遠方からの旅行のついでに立ち寄る際にもスムーズな移動が可能です。
現地移動:溶岩塚の階段と小径

境内の一角は、富士山の溶岩が盛り上がってできた独自の小高い丘となっており、ここを登って本殿を目指す形となります。岩と岩の間を縫うように作られた参道は、自然の形を活かした石段やデコボコとした地面が続くため、足元をしっかり確認しながら一歩ずつ歩みを進めましょう。
神社の規模的に長時間歩くことはありませんが、できるだけ足元を気にせず参拝・散策できるよう、ヒールの高い靴などは避け、履き慣れたスニーカーなどの動きやすい靴でお出かけすることをおすすめします。岩と緑が織りなす空間はちょっとした探検気分も味わえますので、ぜひ歩きやすい足元で、その神秘的な雰囲気を心ゆくまで満喫してください。
割狐塚稲荷神社の見どころ

境内へ一歩足を踏み入れると、そこには富士山の噴火がもたらした自然の力強さと、人の手によって守られてきた信仰の歴史が息づいています。周囲の喧騒から切り離された静かな境内には、どこか神秘的な雰囲気が漂い、この先に広がる景色への期待感が自然と膨らみます。
富士山のエネルギーを感じる「溶岩塚」

この神社の境内は、約1万年前の富士山噴火による「三島溶岩流」が作り出した、高さ数メートルの「溶岩塚(ようがんづか)」の上に形成されています。溶岩の表層が冷えて固まった後、内部の熱い溶岩の影響で膨らんだ結果、塚の表面には複数の亀裂が生じました。この亀裂の中には人が通れるほど大きなものもあり、これが現在では本殿へと続く参道として使われています。
小高い丘の上に建てられた本殿へ続く参道が、溶岩の割れ目を利用したものだと知った時は驚きました。確かに、「少し不思議な場所にあるな……」とは思ったのですが、その理由を知れば納得です。今ではこの溶岩塚も豊かな緑に覆われており、独特な岩肌と植物が織りなす、どこか神秘的な空間となっています。
幻想的な世界へと誘う「朱色の鳥居のトンネル」

溶岩の割れ目によってできた細い参道には、地域の人々や崇敬者から奉納された朱色の鳥居が途切れなく建てられています。日々の感謝や未来への願いが込められたこの鳥居の列は、地域の信仰の証として、現在も大切に維持管理されています。
入口の鳥居から境内、そして溶岩塚の上まで続く鳥居のトンネルは、稲荷神社ならではの景観を生み出しています。鳥居をくぐりながら参道を進むと、まるで別世界へ歩みを進めているようなワクワク感を覚えます。SNSを中心に「写真映えする神秘的なスポット」として注目を集めているのも、この朱色の鳥居と緑豊かな溶岩塚が作り出す、独特の世界観があるからこそです。
割狐塚稲荷神社にはこんな楽しみ方も

溶岩塚のある境内の景観や鳥居の美しさを堪能したあとは、この地に伝わる伝承や岩肌に刻まれた歴史にも目を向けてみてください。
この神社の土台となっている溶岩塚は「割狐塚(わりこづか)」と呼ばれており、かつてこの岩の割れ目に狐が住みついていたという不思議な伝承が残されています。このお話こそが神社の名前の由来にもなっており、昔の人々がこの奇妙な岩山に神秘的な力や生き物たちの気配を感じ、地域の信仰と結びつけてきた歴史を伝えています。

また、お時間にゆとりがあれば、この場所を「火山活動が生んだ天然の博物館」という視点で眺めてみるのも面白い体験になります。伊豆半島ジオパークのジオサイトにも指定されている境内は、ただ歴史あるお社にお参りするだけでなく、1万年前に起きた富士山の大噴火という壮大な地球の営みを間近で学べる貴重なスポットでもあります。参拝の合間に、ゴツゴツとした岩の形をじっくり観察してみることで、自然への畏敬の念が深まり、旅のひとときがより一層充実したものになるはずです。
割狐塚稲荷神社周辺の立ち寄りスポット
割狐塚稲荷神社での参拝を終えたあとも、周辺には富士山の恵みや地域の歴史を深く感じられる魅力的なスポットが点在しています。「ここをセットで巡ることで、この旅がより充実したものになりますよ」という、おすすめの場所をご紹介します。
柿田川公園
割狐塚稲荷神社から車で10分ほどの場所にある「柿田川公園」は、富士山に降った雨や雪が長い歳月をかけて地下を流れ、地上へと湧き出ている国指定天然記念物の柿田川が流れる公園です。神社で見た「三島溶岩流」の地層を通って湧き出す、日本有数の清流の美しさを間近で体感することができます。
園内にある展望台から、深いブルーの湧き水がコンコンと湧き出る「わき間」を眺めたり、澄んだ水の流れる音に耳を傾けたりしていると、心の中まで洗われるような穏やかな時間を過ごせます。整備された遊歩道は緑に溢れ、心地よい川風を感じながらのんびり散策するのに最適です。
▼柿田川公園の詳しい情報については、別記事でご紹介していますのであわせてご覧ください。
三嶋大社
神社から車で15分ほど、または最寄りの下土狩駅から電車やバスでも気軽にアクセスできる「三嶋大社」は、伊豆国一宮として古くから源頼朝をはじめ多くの人々に崇敬されてきた歴史ある大社です。割狐塚稲荷神社の静かで神秘的な雰囲気とはまた一味違う、堂々とした風格と厳かな空気感に包まれています。
春には美しい桜、秋には金木犀の高貴な香りが境内に広がり、四季折々の色彩が訪れる人の目を楽しませてくれます。広々とした境内をゆっくりと歩きながら、歴史の重みに触れ、旅の安全を願う穏やかなひとときを過ごしてみてはいかがでしょうか。
▼三嶋大社の詳しい情報については、別記事でご紹介していますのであわせてご覧ください。
割狐塚稲荷神社はこんな方におすすめ!


割狐塚稲荷神社は、地質学的な珍しさや歴史ある伝承など、訪れる方の関心や旅の目的によって様々な表情を見せてくれる場所です。ご自身の普段の好みや今回の旅のスタイルと照らし合わせながら、現地でのイメージを膨らませてみてください。
- 日本の伝統的な風景や神社巡りに関心がある方
街中にありながら幾重にも重なる鮮やかな朱色の鳥居は、一歩足を踏み入れるだけで別世界へ来たような美しい情緒を味わわせてくれます。 - 静かな空間でのんびり心を落ち着かせたい方
周囲の喧騒から切り離された境内には凛とした心地よい空気が流れており、日常の慌ただしさを忘れてリフレッシュするのに最適です。 - 火山活動によって生まれた自然の地形や地質に興味がある方
約1万年前の富士山噴火が生み出した「溶岩塚」を間近に観察できるため、地球の壮大な営みを肌で感じる知的な散策が楽しめます。 - 周辺の観光地とあわせて地域の歴史を線で繋ぐ旅を楽しみたい方
お隣の三島市や清水町にある湧水スポット、歴史ある神社とセットで巡ることで、富士山の伏流水がもたらした恵みと文化の繋がりがより深く見えてきます。 - 現地ならではの古い伝説や昔話の舞台を味わいたい方
岩の割れ目に狐が暮らしていたという「割狐塚」の伝承に触れながら境内を歩くことで、地域に息づく物語を体感する特別なひとときを過ごせます。
割狐塚稲荷神社を訪れる際の注意点


富士山の溶岩が作り出した独自の景観を存分に楽しむために、事前に知っておくと安心なポイントがいくつかあります。現地で戸惑うことなく、気持ちのいい参拝時間を過ごせるよう、以下の点に心を配ってみてください。
- 起伏のある足元に合わせた靴を選ぼう
本殿へと続く参道は、ゴツゴツとした溶岩の岩肌をそのまま活かした石段や、細くデコボコとした小径になっています。足元を気にせず探検気分を満喫するためにも、ヒールの高い靴やサンダルではなく、履き慣れたスニーカーなどの歩きやすい靴でお出かけするのが一番安心です。 - 境内のサイズ感を意識して予定を立てよう
街の中に佇むコンパクトな神社のため、境内全体をゆっくりと回っても所要時間は15分から30分ほどです。ここだけを目的に遠出するよりは、周辺の柿田川公園や三嶋大社などと組み合わせたドライブコースの一部として組み込むと、満足度の高い一日を過ごせます。 - ベビーカーや移動の際のポイント
自然の地形の割れ目や起伏を利用して作られているため、境内には段差や狭い通路が複数あります。ベビーカーや車椅子で溶岩塚の上まで進むのはかなり厳しいので、小さなお子様や体の不自由な方と訪れる際は、抱っこ紐を用意するなど少し工夫が必要かもしれません。 - 写真撮影と譲り合いの心
朱色の鳥居が美しく連なる景色はとても魅力的で、ついたくさん写真を撮りたくなりますが、参道はそれほど広くありません。他のお参りの方の通行を妨げないよう、お互いに道を譲り合いながら撮影を楽しむことで、誰もが気持ちよく神聖な空気感を味わうことができます。 - 市街地ならではの周辺環境に注意
神社は住宅街に位置しており、面している道路はそれほど広くありません。駐車場を利用する際や、駅から徒歩で向かう際などは、周辺を走る車や地域の方々の生活に少しだけ配慮をしながら歩みを進めるようにしましょう。
割狐塚稲荷神社の基本情報・アクセスまとめ
割狐塚稲荷神社の基本情報とアクセス方法をまとめました。お出かけ前にぜひチェックしてください。
公式サイト
所在地・Googleマップ
静岡県駿東郡長泉町下土狩663
公共アクセス
- 電車と徒歩を利用する場合
JR御殿場線「下土狩駅」から徒歩で5分から10分ほどです。平坦で分かりやすい市街地のルートですので、お散歩を楽しみながら気軽に向かうことができます。 - タクシーを利用する場合
JR東海道本線・東海道新幹線が乗り入れる「三島駅」からタクシーで5~10分ほどです。新幹線を利用して遠方からお越しの方や、スムーズに移動したいときにはとても便利な選択肢になります。
駐車場情報
専用駐車場あり(数台~十数台/無料)
神社東側に駐車場入口があります。周辺の道路は生活道路となっておりそれほど広くないため、歩行者や対向車に気をつけてゆっくりと進入してください。
参拝料
無料
参拝時間
参拝自由
※社務所もあり、おみくじや授与品もありますが、受付時間は不明です。
※ご紹介した内容は記事執筆時点の情報です。お出かけの際は、必ず事前に公式サイト等で最新の情報をご確認ください。
おわりに
割狐塚稲荷神社は、都会の喧騒から離れた神秘的な静けさを味わいながら、富士山の溶岩が織りなす力強い自然の造形と、幾重にも連なる美しい鳥居のある風景を楽しめる素敵な神社です。歴史ある伝承や地質学的な珍しさに興味がある方はもちろん、日常を忘れてちょっとした探検気分を味わいたい方にもぴったりの場所ですよ。
この記事が、あなたの次の休日や旅行をより素敵なものにするきっかけになれば嬉しいです。
最後までお読みいただきありがとうございました。どうぞ、心に残る素敵なお出かけを楽しんできてくださいね!








