静岡県島田市の大井川に架かる観光名所、蓬莱橋(ほうらいばし)。ギネスブック世界記録にも認定された世界一長い木造歩道橋です。完成後140年以上経った今でも現役の賃取橋として通行する人々を向こう岸へ! その全長897.4mから「厄無し」、長い木の橋であることから「長生きの橋」といった語呂合わせによりパワースポットとしても知られています。橋からの景色はまさに絶景! 時には富士山も眺めることができ、ドラマやCMのロケ地としても使用される観光スポットです!
蓬莱橋ってどんなところ?
蓬莱橋は、静岡県内を流れる大井川に架けられた歩行者と自転車専用の木造橋。全長897.4m、幅2.7mの木造歩道橋で、1997年に「世界最長の木造歩道橋」としてギネス世界記録にも認定されています。
蓬莱橋の全長である897.4mから「やくなし=厄無し」、長い木造の橋であることから「長い木の橋=長生きの橋」ともいわれ、パワースポットとしても有名な橋です。
江戸時代、大井川は東海道最大の難所として知られていたにも関わらず、様々な理由から架橋を許されていませんでした。そのため大井川を渡るには川越人足(徒歩や輦台、馬越など)に頼るしかありませんでしたが、1879年に旧幕臣が牧之原台地と東海道の島田宿を結ぶために架けさせたのが蓬莱橋だったという歴史があります。
「世界最長の木造歩道橋」として有名な蓬莱橋ですが、過去に幾度も大井川の氾濫被害を受けたため、1965年に橋脚部分だけはコンクリート製に改造されています。しかし、完成から140年以上経った今でも川の氾濫による被害は無くならず、2000年代に入ってからも台風などの影響で通行止めになることもしばしば。その度に復旧工事をし、現在もその姿を保っています。
また、完成当初から橋を渡るには通行料が必要であり、現在でも全国的に珍しい賃取橋となっています。
蓬莱橋手前にある「ギネスブック世界記録認定証書」
蓬莱橋を渡ってみよう!
絶対に晴れた日に行きたい! ということで晴れ予報の日を狙って行ってきました! 蓬莱橋は雨の日でも渡れるのですが、せっかくなら天気の良い日に行きたいとずっと思っていた場所だったので。快晴の日に行くと”アレ”も見れるそうですよ?
蓬莱橋徒歩数分の駐車場が2か所!
蓬莱橋には専用駐車場が2か所あります。いずれも橋までは徒歩数分で無料。両方合わせると75台収容可能な駐車場です。
私がこの日駐車したのは第2駐車場。蓬莱橋北側を通る県道342号線から坂道を下った先にある河川敷の駐車場です。蓬莱橋専用駐車場は2か所ありますが、第1駐車場は普通車25台、大型バス11台収容可能、第2駐車場は普通車50台収容可能となっています。どちらも舗装されたきれいな駐車場なので駐車はしやすいかと。第1駐車場の写真はありませんが、こちらも県道342号線沿いにある駐車場です。
ちなみに蓬莱橋の駐車場はいずれも橋の北側に位置しており、対岸の南側には駐車場がありませんのでご注意ください。
蓬莱橋 897.4広場と897.4茶屋
蓬莱橋は「世界最長の木造歩道橋」を渡る以外にも楽しみ方があります。いずれも橋を渡る前に視界に入るものなので先にご紹介しますね!
まずは蓬莱橋北側の河川敷に広がる897.4(やくなし)広場。蓬莱橋の全長である897.4mから名付けられた広場で、2021年に誕生した比較的新しい小公園です。
897.4広場はイベントやマルシェにも使用される広場で、「イベントエリア」「展望エリア」「景色エリア」「木陰エリア」「小山エリア」の5エリアに分かれています。
私が訪れた時も広場を走り回っているお子様や木陰で休んでいる方、散策路をお散歩している方などの姿をお見掛けしました。天気の良い日などは橋を渡るだけでなく、897.4広場でゆったりとした時間を過ごしてから帰るのもいいかもしれませんね。
続いては蓬莱橋の目の前にある897.4(やくなし)茶屋。蓬莱橋のお休み処兼物産販売所として2018年にオープンした茶屋です。テイクアウトのソフトクリームや緑茶などを中心に販売しており、お店の前の椅子に座って蓬莱橋を眺めながら休憩している方の姿が多く見られました。
店内には緑茶を使ったスイーツや静岡県・島田市ならではの商品が所狭しと並べられています。
この日は非常に気温の高い日でしたので私も煎茶ソフトクリームを購入したのですが、座るところを探している間にかなり溶けてしまい写真に収めることはできませんでした。残念。
897.4茶屋の西側にはトイレもあります。橋を渡りきるまではトイレがありませんので、こちらで済ませてから蓬莱橋へ向かいましょう。
いざ、向こう岸へ!
それではいよいよ蓬莱橋を渡っていきます! 先ほどからご紹介している通り、蓬莱橋は897.4mの長い橋。ゆっくり歩いて渡ると10分ほどかかります。私は写真を撮りながら時には立ち止まったり時には戻ってみたりと、本当にゆーっくり進んで行ったので15分以上かけて渡り切りました。橋の上からの写真ということであまり変わり映えはしませんがご紹介していきます!
こちらが蓬莱橋の入口です。ここから約10分間大井川横断を楽しむわけですが、先ほどもご紹介した通り蓬莱橋は賃取橋ですので通行料が必要となります。
897.4茶屋の東側に番小屋がありますので、こちらで通行料を支払ってから蓬莱橋を渡りましょう。こちらの番小屋には8:30~17:00まではスタッフの方がいらっしゃいますが、その他の時間は無人になります。時間外でも橋を渡ることはできますので、その際は橋手前にある料金箱へ支払うというシステムのようですね。
ちなみに通行料は大人100円、小学生10円、自転車100円です。
番小屋で通行料100円を支払い約10分間(私は15分超)の渡橋スタートです! 蓬莱橋は897.4mの長い橋ですが現在の大井川はそこまでの川幅はないので、しばらくは地面に架かった橋の上を歩くことになります。
現在はこの位置に川は流れていませんが、昔はここまで水流があったということですよね。それだけの大きな川を橋なしで渡っていたなんて信じられませんね。当時、蓬莱橋がいかに重要な役割を果たしていたのかがよくわかります。
少し進むとだんだんと川らしくなってきます。それでもまだ水流のない部分のほうが多い印象です。
そしてみなさんお気付きですか? 蓬莱橋をよーくみると場所によって若干色が違っているんです。これは台風などの影響で川が氾濫したり、経年による劣化で傷んでしまった橋を補修した証。つまりこの補修の跡が140年以上にわたる蓬莱橋の歴史を物語っているんですね。
橋を歩いていると所々穴が開いてしまっていたり、木のきしむ音が聞こえたりします。それでも現在の姿を後世に残そうと補修を行い、人々を安全に向こう岸へ渡している。すごいことですよね。通行料100円でいいのかな?なんて思ってしまいます。
そろそろ半分くらい歩いたかな?なんて思い足元を見ると「ど真ん中」の文字が。そう、ここが蓬莱橋のど真ん中。448.7m地点です。ここまでもこの先もずっと同じような木製の歩道が続くだけの蓬莱橋ですが、この板だけに手書きで「ど真ん中」と書かれています。なんだかクスっとしてしまうようなほっこり感。かわいらしくて好きです。
蓬莱橋のど真ん中から左右を見渡してみるとこんな感じ。向こう側に見える長い橋は県道34号線から続く島田大橋です。このエリアで大井川を渡るには、自動車も通行可能な島田大橋やさらに東側にある谷口橋などが現代の主な交通ルートとなりますが、今でも一部の茶農家さんは蓬莱橋を農道として利用されているようです。架橋から140年以上経った今でも現役ということですね。
そして実は天気の良い日は北東の方角に富士山が見えるらしいんです! 蓬莱橋からの富士山を見たくて晴れの日を狙って来たのですが、残念ながらしっかり雲で隠れてしまっていました。雲一つない快晴だったら見えたのかもしれませんね。いつかリベンジしたいです!
橋の3分の2くらいまで来た辺りが一番水流があったような気がしますね。だんだんと奥の森が近くなってくる感じがちょっと切なさを感じさせます。もう渡り切ってしまうんだな……と。
さあ、いよいよ対岸に着きます。897.4mの渡橋も終わりが見えてきました。が、蓬莱橋を渡り切った先には何があるのでしょうか? 相変わらず詳しい情報は入れずにここまで来ているので、この森の中に何があるのかは知らずに歩みを進めております。ちょっとワクワクしますね。
蓬莱橋を渡った先には…
蓬莱橋を渡った先にある森の中にはこんな光景が。小さなお土産屋さん(?)があったり、散策路のマップがあったり……。そうなんです、蓬莱橋を渡りきるとその先にはさらに散策路が続いているんです。その名も「蓬莱七福神の小路」。どうやら散策路を歩きながら七福神巡りができるようですね。
ちょっとこれは予想していなかったですね。蓬莱橋のその先は考えていなかった。というか、蓬莱橋のその先には違う予定が……。しっかり七福神巡りをしてしまうと結構時間がかかりそうでしたので、私はここで引き返すことにしました。が、少しだけ散策路を歩いてみましたので、ちょっとだけご紹介。
こちらは「縁結び地蔵」というお地蔵さんですね。こちらにある願い石に願い事を書いてお供えするようですが、この時は願い石が置いてありませんでした。この日の分が終了してしまったのかな? ちょっとわからなかったですね。
散策路にはこのようなフォトスポットも! 大きな木製のフォトフレーム越しの蓬莱橋を撮影することができます。ちょっと木が生い茂っていますがそれもまた良し! いい記念になります。
このように、少しだけでも散策路を歩いてみると観光スポットらしいものなんかも見れて蓬莱橋をより楽しめます! お時間に余裕のある方は散策路をさらに進んで、蓬莱七福神巡りも楽しんでみてくださいね!
来た橋をまた戻り、蓬莱橋を後にします! 向こう岸に着いたら、さらに897.4(厄無し)!
蓬莱橋を渡って…
かなり前から行きたいと思っていた場所だったので、念願が叶ってよかったです! 期待以上の絶景と感動を味わうことができました! 蓬莱橋からの富士山が見れなかったのはちょっと残念でしたが、次こそは快晴の日を狙って訪れ、蓬莱橋、大井川、そして美しい富士山を一枚の写真に収めたいと思います!
また、蓬莱橋は夜も渡ることができ、足元のソーラーブリックを頼りに向こう岸を目指すことができます。次回は富士山だけでなく、夜の蓬莱橋、そして蓬莱七福神巡りにもチャレンジしたいですね!
それから、蓬莱橋は基本的には終日通行可能で、欄干の高さが1mにも満たないことから開放的な気分を味わえるのが魅力の橋ですが、その分落下の危険性はどうしても拭うことができません。蓬莱橋手前の看板や島田市の公式サイトにも書かれていますが、夜間や雨天時、強風時の通行は十分に注意してください。混雑時や小さなお子様連れの方も特にご注意くださいね。
また、夏場の日差しが強い日などは日焼けや熱中症にもご注意を。橋を渡っている間の10分程度は日差しを遮るものが一切ありません。私は蓬莱橋を一往復してしっかり日焼けしました。
蓬莱橋は「厄無し」「長生きの橋」といった縁起の良いパワースポットとして有名な場所ですが、渡るには片道897.4m、往復だと1794.8mの道のりです。渡りきれる自信がない方もきっとおられるでしょう。そんな方も一度行ってみてください。大井川に架かったながーい橋を眺めるだけでも十分に楽しむことができます。897.4茶屋や897.4広場でゆっくり過ごすこともできますしね。
おそらくどんな方でも想像以上の感動がある場所だと思います! 是非蓬莱橋行ってみてくださいね!
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
こちらの記事が少しでも、皆様のお出かけ時間のお役に立てれば幸いです!
蓬莱橋へのアクセス
公式サイト
所在地
公共交通機関で向かわれる方は
- JR島田駅より徒歩約20分。
- 富士山静岡空港アクセスバスを利用。蓬莱橋バス停すぐ。
- JR島田駅・島田駅前バス停より島田市コミュニティバスへ乗車、宝来町バス停で下車。宝来町バス停より徒歩約10分。
いずれかの方法で蓬莱橋を目指してください。バスをご利用の方はいずれも本数が少なく、平日のみの運行だったりもしますので、お出かけ前に必ずご確認ください。
駐車場
無料
第1駐車場 | 蓬莱橋入口より北西方向の県道沿い | 普通車25台、観光バス11台 |
第2駐車場 | 蓬莱橋入口東側の河川敷 | 普通車50台 |
渡橋料金
歩行者(大人) | 100円 |
歩行者(小学生) | 10円 |
自転車 | 100円 |
1か月定期券 | 800円 |
渡橋可能時間
終日
その他ご不明な点、詳しい情報は島田市公式サイトにてご確認ください。